薄ら笑いを浮かべてた少女たちに一体何が起こったのか?
「刑務所とはどんなところなんだろう?」
「刑務所の生活とはどんなものなのか?」
そんな疑問を持つ人に向けた記事になります。(2020/10/18 更新)
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- 刑務所を体験する不良少女の惨烈でミステリーな体験談
- 地獄の一丁目
- 案内人は終身刑の殺人鬼
- 本物のハンニバル・レクター達
- 最後の審判!裁くはやっぱ殺人鬼
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刑務所を体験する不良少女の惨烈でミステリーな体験談
もう帰りたい!
筋金入りの悪ガキ少女が震える手と、恐怖に凍りついた声で泣き叫んだ!
アメリカのケーブルテレビ向けチャンネル運営会社である「A&Eネットワークス」が、長年放送を続けている人気番組「刑務所1日体験(Beyond Scared Straight)」。
不良少女たちに刑務所の1日体験をしてもらう。
ただし、プログラムの終了は最長72時間。
1日の終わりに「最後の審判」が設けられ、合格すれば帰ることができるというもの。
5人の不良少女は12歳から15歳で飲酒、万引き、器物損害、暴行、脅迫、ドラッグ、セックスと悪に立派に染まり、少年鑑別所にも入れられ、学校にも世間にも、そして親にすら当然のように見捨てられた。
しかし、将来の終身刑候補であることには間違い無いだろう。
不良少女達は世の中に対し、薄ら笑いを浮かべて「我に敵なし」状態だった。
女ってだけで世間では私には甘い。
私が逮捕され、懲役を食らって刑務所に入ることなんてない。
誰も私を逮捕できない。
そんなことがあどけない少女の顔と悪ぶる餓鬼が同居する不良少女達の本音だったに違いない。
しかし、この「刑務所1日体験プログラム」はそれが何を意味するのか?を教えてくれる。それは紛れもなく、刑務所の住人達の本気の叫び声だったのだ!
地獄の一丁目
看守数人に連れられ、刑務所の収監エリアへの導かれていく。
そこが想像を絶する地獄であるとも知らずに。
ぶっとい鉄格子のついた鉄の扉の向こう側から怒号の叫び声とこれまで経験したことのない殺気で大気が切り裂かれるような獰猛な猛獣どもが待ち構えていた。
「コラァ!何笑っとんじゃぁ!殺してやるぞぉ!こっちに来れば笑えなくしてやる!さっさとこっちにおいで!」
(獰猛な猛獣達からのお誘いの言葉)
生物学上メスのはずの獰猛な地球外生命体?
とも思える黒い悪魔達こそ、刑務所内の道先案内人なのだ。
さっきまで怖い顔してた看守の人達が急に優しいおじさんに見えてくるほどの凶悪の化身達は全員終身刑を食らった本物の殺人マシーン達だった。
看守は赤い鉄の扉を開く前に警告した。
「中に入ったら、彼女たちに任せる。真剣にやらないとどうなるかわからんぞ」
(優しい看守のおじ様の言葉)
おやっさん!マジかよ!あんな野生の熊のような獰猛な猛獣に不良少女とはいえ、一般市民を預けて大丈夫なのか?
まるで新鮮な牛肉をあたえるようなもんじゃないの!って私は思わざるを得なかった。
不良少女達の生命線は撮影用のテレビカメラで中継中ということと、看守数人の手に握られたショックガンのみ。
中には映画『羊たちの沈黙』に出てくるハンニバル・レクターさながら、看守に噛み付く人間の形をした猛獣もいる。
不良少女たちの顔数センチの距離から罵声と牙剥き出しの殺気が襲う。
それを見てる私たちは、どうなってしまうのか、生きて本当に出られるのか?とか思ってしまう。
ザマアみれ!という感情より不良少女がか弱い少女のようにみえ、どんなに悪ぶって見せたところでこの狂気の塊のような悪魔たちには叶わないことは当然でかわいそうにも思えてくる。
案内人は終身刑の殺人鬼
筋金入りの凶悪猛獣に怒鳴られながら、刑務所を案内される。
「受刑者であるお前らは人間じゃない!名前もない。ただの番号だ。殺されようが何されようが看守は知らない。お前らはそんな刑務所の住人になるんだよ」
(獰猛な案内人より)
と不良少女達の顔数センチの位置から100メートル先の人間に話すように、そして不良少女達の心に確実に届くように、猛獣達の悲痛な雄叫びが響き渡る。
言葉とは裏腹にこんな地獄に来たいのか?私らは出て行きたい。
こんなところなんかにくるんじゃねぇ。
獰猛な猛獣達は逃れられない、自ら背負った重い十字架と鉄球の足枷に苦しんでいるように見えた。
そして不良少女達に同じ道を歩ませないように必死のように見えた。
不良少女達は運動場のようなところを一列に整列して移動していく。
まるで新鮮な魚を吟味する野生の熊のような凶悪犯罪者達が罵声を浴びせる。
「私の女にしてやる。飢えてんだよ!お前は私の女だ!わかったか!早くこい!待ってるよ」
(ある囚人の優しい言葉)
自分たちの生活エリアからは決して耳にすることはない罵声が襲う。
凶悪犯罪者達と、不良少女とはいえ、一般人の間にはもちろん一定の距離が取られ、安全?は確保されているがあまりのど迫力と、装飾のない悪意丸出しの凶悪犯罪者の空気感に、不良少女達は圧倒されていたに違いない。
刑務所の中では上には上がいる極悪社会で、まるでアフリカのサファリに住む野生の動物達の生活を凝縮し圧縮して人間に置き換えたような極端な弱肉強食の社会!
弱いものは殺され、レイプされ、餌食となる。
不良少女達に群がる囚人どもはそんな社会の中で生き抜く生粋の強者達だったのだ。刑務所内の更生プログラムなんて意味はないだろう。ただこの極端な弱肉強食社会に入れられたことを後悔し、罪を呪ったに違いない。
そんなものを知ってしまった不良少女達の目には恐怖心から涙が溢れていた。
だがしかし、それでも体験プログラムは終わらない。さらに危険エリアに案内されていく。
本物のハンニバル・レクター達
そんな不良少女達は刑務所の中でも特別室、独房エリアに入っていく。
何人もの猛獣達の手垢で錆びついた鉄格子から見える狭く重い空間は漆黒の闇に包まれていた。
そこから鋭く、鋭利な刃物をぶんぶん振り回しているかのような強烈な殺気を放つ、獲物を狙う血生臭い眼がまっすぐ、不良少女達に向けられていた。
分厚い鉄のドアには張り紙があり、「噛みつき注意」的なことが書かれていた。この独房に入れられた囚人達は刑務所内でさらに殺人を犯したものや、喧嘩して致命傷を与えた者、さらに看守を襲った者などの手のつけようがない動物達だった。一生この独房から出られない者もいるそうだ。
そんなドアの暗闇から叫び声が聞こえてくる・・・
「殺してやる。お前らはすぐにここに来るだろう?私の女にしてやる。可愛がってやるよ。ここにくるまでは自分が一番だったろ?ここに来れば他の猛獣の餌食になるよ。」
(独房で手足を縛られた囚人より)
と恐ろしい獰猛な叫びが聞こえてくる。
そしてその最高レベルの監視体制に入れられ、手足を鎖で繋がれた凶悪犯罪者はいう。
「ここにはくるな!」
不良少女達は一体何がそこにいるのか?
同じ女なのか?
それとも宇宙人か?
猛獣がいるのか?
あまりの恐怖に一瞬にして血液温度が下がり、身の毛もよだつ肉食獣の檻の中に放り込まれた、ただの人肉のように感じたに違いない。
分厚い鉄の扉の外側にいるにもかかわらずだ。
えげつない殺気を身にまとった本物の終身刑の殺人鬼達の雰囲気に飲み込まれていたのだ。
最後の審判!裁くはやっぱ殺人鬼
最後の審判がやってきた。
帰りたい奴はいるか?の声に不良少女達は全員手をあげた。
しかし、ここから厳しい審判が待っていた。
審査するのはもちろん、悪の限りを尽くした殺人犯の終身刑の囚人達。
嘘なんか通じない。
猛獣vs不良少女の1:1の個人面談が始まる。
瞬きもしない肉食獣に睨み付けられたウサギちゃん達はただ涙を流し、罪を告白して懺悔する。
ある少女は母親に暴力をふるった罪を告白。
殺人鬼の囚人はいう。
「今日は私が母親だ。殴れ!殴れと言っている!殴ってみろ!」
異質な性質の黒曜石で出来たような鋭い眼球に睨まれた不良少女から血液温度が吹っ飛ぶのがわかる。
・・・殴れば殺される!
その重圧が不良少女の表情から読み取れる。
だがそんな殺気の奥深くから、懺悔の叫び声が聞こえてくる。
狂気の猛獣達すら「ここへはくるな」「まだやり直せる」「無駄にするな」というメッセージが不良少女達の心に突き刺さっていた。
それは悪に身を染め、その後どうなったか?
地獄を味わった猛獣達が心の底から後悔していることと、何か最後に役に立ちたいというところから、力づくでも更生させてやるという強い気持ちからだと思う。
不良少女達のうち90%は生活を改めて真面目に生きることを選んでいる。
残念ながら、10%は選りすぐりの極悪人となり、終身刑の殺人鬼と同じ人生を歩むことになる。
せっかく最悪な体験をして知ってるにもかかわらずだ。
その10%は将来、この体験談番組で案内人を務めることになるだろうね。
「あの時、本気で変わりたいと思っていれば良かったと後悔している」という名セリフを吐くことになるんだろうね。
悪を制するには極悪を持って制すというこの番組は10年以上継続され、多くの凶悪犯罪者候補生達を更生させることに成功している。
たぶん、その10%の極悪人が出演するまで番組は継続されてるだろうね。
結構な人気番組らしいし。