皇帝にホロコーストにあったウクライナの亡霊が行く末を凝視する
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- プーチンが世界の制止を振り切り、ウクライナ侵攻勃発
- 十分に練られた軍事作戦を準備してたプーチン
- 生活インフラを人質に権力下に治めたいプーチン
- ウクライナの新興財閥(オリガルヒ)とは?
- ウクライナ侵攻直前に腐敗撲滅の大統領vs新興財閥
- 異例の対応でウクライナ国民を鼓舞する悲劇の英雄
- 皇帝プーチンの非情な銃弾が打ち砕く夢や人間
- 総統ヒトラーの幻影に取り憑かれた皇帝プーチン
プーチンが世界の制止を振り切り、ウクライナ侵攻勃発
さぁ、人間臭い話をしよう。
ロシアのプーチンが2022年2月24日、突如ウクライナ侵攻を決行した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこの数カ月もの間、ウクライナを攻撃して侵攻するつもりはないと繰り返していた。
しかし、それは全くの嘘だったようだ。
ただ、侵攻の準備が完了し、ゴーサインを出すタイミングを待っていただけだった。
獲物を狙う猛獣のように静謐を偽装し、ギラつく殺気づいた視線をウクライナにむけながらね。
なんと3月2日、ウクライナ政府は、ウクライナ南部都市制圧作戦の機密文書を戦闘で破壊したロシア戦車内で発見したという。
それに仰天の事実が記載されていた・・・
十分に練られた軍事作戦を準備してたプーチン
その文書によれば、アゾフ海に近い人口約15万のメリトポリに対する制圧作戦が記され、詳細な軍の展開図や参加する人員名、コールサインや周波数の資料が含まれていたという。
作戦は2月20日に開始され、黒海艦隊がアゾフ海から艦船を接岸させて上陸、近くの集落を制圧したあと陸軍部隊とともに北のメリトポリに侵攻する計画で、3月6日まで続くことになっていた。
それだけではない。
英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の特別報告「ウクライナ破壊の陰謀」によれば、侵攻は1年以上前から綿密に計画され、征服まで視野に入れた何段階もの戦略が用意されているらしい。
そのため、プーチンが発表したように、「予定通り、計画通り進んでいる」ということだ。
プーチンはウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ東部の紛争地域の元ロシア人に対して大量虐殺したナチスだと声高らかに叫び、正義の鉄槌を下すという立場に固執している。
ちなみに、ゼレンスキー大統領はユダヤ系ウクライナ人であり、ナチスに大虐殺された側である。
このプーチンの指摘を聞いて、「プーチンは自分以上に笑えないコメディアンだ」と吐き捨てたとか。
なぜそのようなことになったかは、2014年のそもそものロシア侵攻に原因があったりする・・・
生活インフラを人質に権力下に治めたいプーチン
2014年に勃発したクリミア侵攻以来、ウクライナとロシアは戦争状態であった。
2014年にロシアが一方的にウクライナ南部のクリミア半島を併合して以降、同国東部ではウクライナ軍と親ロシア派の反政府勢力による戦闘が5年半にわたって続いており、これまでに1万3000人が犠牲となっていた。
しかし、2019年12月9日、ロシアのウラジミール・プーチンとウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との間で停戦協定が合意された。
その中に気になる問題があった。
それは、ウクライナ経由で欧州に輸出されるロシア産ガスについて、通過関税について対立があったという。
このロシア産ガスというのがロシアの国営企業ガスプロムだ。
ガスプロムの天然ガス生産量はロシア全体の88%にもなり、全世界の23%にものぼる。
また、ロシアの税収の25%も占めている巨大企業となっている。
そもそもウクライナも旧ソ連から独立した国だから、生活インフラはロシアベースになっているのは当然の事実なのだ。
そのガスプロムは2005年ウクライナへのガス供給交渉でそれまでの倍以上の値上げを要求。
ロシアーウクライナ間の国家間の対立を招いていたのだ。
2006年1月にはこれが元になり、ウクライナへのガス供給を停止。
ウクライナは一方的にパイプラインからガスを抜き取ったため、ガス圧が低下して国際問題にも発展していたのだ。
ウクライナの新興財閥(オリガルヒ)とは?
ロシアにはこのガスプロムのように天然資源、軍産複合体が政府と癒着することで巨大財閥を形成しているケースが多々あり、旧ソ連の時代からそういった政治形態は全く変わっていないようだ。
当然、プーチンの側近たち、友人はそういった黒い絆で結ばれている。
おそらく、プーチンの野望はロシアの領土を解体前の旧ソ連に戻すことだろう。
インフラやエネルギー資源をネタに旧ソ連から独立した国々を吸収しようとしているは公然の秘密といったところか。
ウクライナ侵攻もこの視点で追っていくとちょっと疑惑ありげな人物に思い当たる。
ロシアに実効支配されるウクライナ南部のクレミア半島近くの都市にして、巨大な港を持つマリウポリ。
ロシア兵の不気味な侵攻音が鳴り響き、周辺地域が次々と占領されていく中、侵攻4日まで持ち堪えた。
それには隠されたマリウポリ市民の物語があったのだ。
このマリウポリには鉄鋼製造の民間企業メティンベスト社のイリーチ製鉄鉄工所がある。
この企業親会社がSCMグループでそのトップがリナト・アフメトフというウクライナ人なのだ。
リナト・アフメトフの推定資産は75億ドルとも言われており、世界327位という超富裕者なのだ。
しかもウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とは政敵となっている。
実はゼレンスキー大統領は腐敗撲滅運動を公約に掲げており、反アフメトフ法なる税制改革を実施しようとしていた矢先だった。
ウクライナ侵攻の直前に、政府に癒着して金儲けしていた財閥と腐敗撲滅を公約する大統領の戦いが勃発していたのだ。
ではロシアはそのオリガルヒのリナト・アフメトフと裏で組んでいたのか?
ウクライナ侵攻直前に腐敗撲滅の大統領vs新興財閥
2021年7月、ウクライナのゼレンスキー大統領は、少数の新興財閥が政治に関わる制限事項をまとめた法案にサインし、政治と金をひっぺがそうとした。
それだけではなく、鉄鉱石採掘に累進課税率を導入、鉄鉱石採掘企業のオーナー、つまりは大富豪リナト・アフメトフを狙い撃ちした税法の改正法(反アフメトフ法)を成立させた。
当然、大富豪リナト・アフメトフはSCMグループの傘下のメディアで大統領のネガティブキャンペーンを平然と流していたという。
そんな中、ゼレンスキー大統領はウクライナ国民がギョッとする発言をしている。
それはこの大富豪リナト・アフメトフがクーデターに参加していると告発だった。
大富豪リナト・アフメトフは長年今の野党に資金提供していて、政権獲得に失敗したのは現政権が成立した2019年の大統領選が初めてらしい。
そのため、アンチ財閥政策を決行する現政権に対するクーデターに加担したとしても不思議ではない。
もしかすると、ロシアのウクライナ侵攻を呼び込んだのはまさか彼か?
プーチンが天然資源の更なる獲得を目指してウクライナの大富豪と黒い関係があったとしても別段不思議な話ではないはず。
プーチンはウクライナ侵攻の停戦交渉の条件として、現政権の退陣を要求している。
ロシアに都合の良い傀儡政権を立ち上げるというわけだ。
がしかし、大富豪リナト・アフメトフが黒幕というのはどうやら私のただの陰謀主観だったかもしれない。
異例の対応でウクライナ国民を鼓舞する悲劇の英雄
なんとウクライナ侵攻が勃発する前後から、大富豪リナト・アフメトフの鉄鋼製造メティンベスト社の従業員の賃金が急上昇していたのだ。
これはこれからロシアのウクライナ侵攻を目前に従業員やその家族のために少しでも生活の足しにするためだと思われる。
彼曰く
「私たちはマリウポリを信じています。私たちはウクライナを信じています」
実はこの大富豪リナト・アフメトフは既に莫大な資産がロシアに強奪されていたのだ。
2014年にロシアとウクライナの間の戦争で大きな打撃を受けた。
不動産、数十のガソリンスタンド、ウクライナで最も成功したサッカーチームの1つであるシャフタールドネツクのホームスタジアムなど、資産のいくつかは、クレミア侵攻によって一夜にして事実上押収されていたのだ。
ウクライナの富豪たちが3/5現在のロシア占領地域だけでも保有する資産の価値は、攻撃に至るまでの数日間で40%も下落、国内の他の場所で保有されている資産も少なくとも20%を消失している。
つまりはすでに60%近く失ったことになる。
現在、ウクライナのゼレンスキー大統領と大富豪たちは緊密に相談してロシアの侵攻に当たっているとか。
ウクライナ侵攻勃発の2日前、大富豪リナト・アフメトフはウクライナ政府の財政を強化するため、なんと3400万ドルもの税金の前払いを発表した。
「私たちの共通の目標は、国際的に認められた国境内で、強く、平和で、独立した、統一されたウクライナです。誰もが国を強化するために自分の力ですべてを成し遂げなければならない。…団結こそ、この国の存続の問題を解決してくれる。」
だが、眼の前に広がる現実は、500発以上の砲弾によって瓦礫となった夢の跡だった・・・
皇帝プーチンの非情な銃弾が打ち砕く夢や人間
そんな中、ロシア軍の非情な砲弾は学校、ビル、病院、幼稚園、マンションや思い出深い家屋を粉々に打ち砕いている。
恐怖と絶望に絶叫しながら、愛する人が目の前で、怨念で黒く染まる血を口や傷口から垂り落とし、死体に変わっていた。
それも大人だけではなく、夢いっぱい持った子供たちが・・・。
サッカーが盛んなウクライナで大好きなサッカー選手になりたかったのかもしれない。
それともアフメトフのような大富豪を夢見ていたもしれない・・・
お医者さん?
看護師か?
ケーキ屋さん・・・
全てはロシアの銃弾が打ち砕き、銃槍から魂が抜けた、ただの肉片に変わり果ててしまった。
プーチンは言う。
「ウクライナの非武装化、非ナチ化のため」
だと。
この侵攻作戦で死んだ、全く無関係の一般人の死体はこの言葉に血ヘドをぶちまけてプーチンに返すだろう。
プーチンはヨーロッパ最大の原発や、クリミア半島では手に入りにくい水源、アフメトフの鉄鋼資源が欲しかったのだ。
プーチンに政治的な、崇高な理由などありはしない。
ただの強欲まみれ、血まみれの野望でしかない。
ホロコーストして良い理由なんてない!
ちなみに、ホロコーストについては別の記事にまとめてるのでそちらのわかりやすい解説記事をどうぞ。
→ホロコーストとは?わかりやすく、マニアックにまとめてみた
チャーリー・チャップリンの名言が心に刺さる。
「ひとり殺せば殺人者。100万人殺せば英雄」
政治的な理由で大統領という立場であれば2000人の大量虐殺をしたとしても問題ないのか?
いや、ロシア兵、ウクライナ兵の戦死者の数を入れればそれ以上だろう。
プーチンの場合は英雄を通り越して「皇帝」だろうね。
総統ヒトラーの幻影に取り憑かれた皇帝プーチン
皇帝プーチンの「旧体制の復興」という悪意に満ちた野望を遂行することで既得権益を強奪する今回のウクライナ侵攻は「政治的な理由」になるのか?
いやいや、独裁者のただの侵略戦争でしかない。
隣国にはポーランドがある。
ロシアがポーランドに侵攻した場合、第三次世界大戦となる。
なぜなら、NATO加盟国のため、アメリカが報復すると確約しているからだ。
あのナチスのアドルフ・ヒトラーがポーランド侵攻して以降第二次世界大戦が勃発したことを思い出す。
かつて1938年、ミュンヘン会談にてチェコスロバキアのズデーデン地方をナチスに割譲することを認めたイギリスとの宥和政策はナチスの勢いに火をつけることになり、それは人類史の悲劇、ホロコーストへとつながった。
今プーチンはウクライナのクリミア半島の領土をロシアのものだと西側諸国が認めることを休戦協定の条件にしている。
歴史はやっぱり繰り返すのか?
亡霊のような蒼白い肌に、ドス黒い血を口から垂り落としながら、この戦争で無惨にも死んだ死体たちは不気味なほど静謐に行く末を見守っている。
業火に燃える憎悪みなぎる視線を浴びせかけながら・・・