フシギなサンタクロースは気性の荒い、屈強な司教だった!

サンタクロースはそもそもクリスマスと無関係?

「サンタクロースは本当にいるの?」
「サンタクロースっていつから子供達にプレゼントしてるの?」

そんな疑問を持つ方に向けた記事になります。(2020/12/26 更新)

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  1. フシギなサンタクロースは気性の荒い、屈強な司教だった!
  2. サンタクロースは実在の人物だと?
  3. フシギな魔法を操る子供達の守護天使
  4. 子供達の”恐怖”のサンタクロース
  5. イエスの降臨とサンタクロースは実は無関係だった?

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フシギなサンタクロースは気性の荒い、屈強な司教だった!

「なんか、サンタクロースがシャンシャンとトナカイとおそらを飛んでる音がする」

そんなセリフを子供の頃、母親にしていた記憶がある。
父親やいまだにそのことを口にしてからかう。

「嘘ばっかり、こきやがって!」

馬鹿にしながら笑う私の父上より

とね。この時期になると決まって笑いネタとなる。
クリスマスイブに世界中を飛び回り、子供達に贈り物を届ける、サンタクロース。
赤い帽子に、お祭りで売ってる”わたあめ”のような真っ白のお髭を蓄えた、ケンタッキーフライドキチンのおじさんみたいな優しく、子供に大人気の存在。
ホントにサンタはいるの?
そんな質問を親になった私はよくされる。
そんなフシギな存在のサンタクロース、実はお墓が実在しており、すでに発掘調査されていることをご存じだろうか。

近代的に移動するサンタクロース

サンタクロースは実在の人物だと?

サンタクロースの墓はイタリアのバーリにある、聖二コラ教会の地下室に納められている。
彼は聖ニコラウスと呼ばれた3〜4世紀に生きた実在の人物で、ローマ帝国時代、現トルコの南沿岸のアンタルヤという地域で生まれたギリシャ人司教だった。
彼についてサンタクロースの要素となる、いくつかの逸話が残っているの。
でもまさか自分が遠い未来で、世界中の子供たちに夢と希望を与える存在になっているなんて考えもしなかっただろうね。
1950年代にこの地下室が修理された際、遺体をX線撮影された。
彼が生きた当時、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの統治下で、キリスト教徒への迫害によるものなのか、彼の鼻はひどく潰れていたという。
この聖ニコラウスがなぜプレゼントを運んでくるサンタクロースに変わったのか。
ニコラウスは太ってもしゃもしゃの白いひげを生やした陽気なおじさんとは実は程遠い人物だった。
ニコラウスはむしろ、気性が荒く、屈強な男だった。
聖書を燃やされ、キリスト教信者は問答無用で処刑された時代、頑として教会の教えを守り抜いたことで評判の人物だったみたい。
迫害を受けていた時代だからね?
それくらい頑丈な大男でないと生きていけないよね?
命令に逆らったニコラウスは何年か投獄されたが、その後コンスタンティヌス帝がキリスト教を認めたため、自由の身となった。
そういったいきさつから彼の名声は死後も伝えられるところとなった。
だけど、屈強なソルジャーのような司教からはカーネルおじさんのようなサンタクロースのイメージはまだないね。しかも空を飛んだりする魔法もないしね。
そういうイメージは中世までに形成されていったみたいね。

サンタクロースとは、キリスト教の創世記に活躍したギリシャ人司教ニコラウスだった。今とはイメージが全く違うニコラウスがなぜサンタクロースになったのか?
気性の荒い、屈強な戦士的な司教ニコラウス

フシギな魔法を操る子供達の守護天使

西暦1200年頃には、聖ニコラウスは子供達の守護天使ということになっていた。その頃には既に聖ニコラウスは魔法を操り、贈り物をくれる人となっていた。
それはどうやら、彼の存命中の2つの逸話からきているみたいなのよね?
ニコラウスは3人の幼い少女を売春婦の生活から救った。
娘たちが結婚する時、持参金にできるよう、ニコラウスは真夜中にひそかに、借金を抱えた父親の家に訪れ、3つの、お金が入った袋を窓から投げ入れた。
それがちょうど暖炉で乾かされていた靴下に入ったというもの。
靴下にプレゼントが入るってのはここから来てるみたいね。
小学校の時、大きなプレゼントが入るように母上のストッキングを枕元に置いて寝たことがあったっけ?
今思えば、どんだけ私を馬鹿にして楽しんでたと思うとイラッとするけどね。
もうひとつのエピソードはニコラウスが殺人現場に出くわすエピソードなのよね?
ニコラウスがある宿に入ると、宿の主人はたった今3人の少年を殺し、バラバラにした体を地下のタルに詰めて塩漬けにしたところだった。
ニコラウスはその犯罪に気づき、子供達を蘇らせたというもの。
これら逸話が子供達の守護天使となった理由だそうな。
それはいいんだけど、昔の逸話って話が妙に血生臭いというか、ちょっと怖がらせる話ってレベルじゃないんだよねぇ?

なぜか血生臭い中世から伝わる民話や伝承

この逸話も結構ハードだよね?
ところで、白雪姫も元々中世ヨーロッパの貧困層にあった”口減らし”の実態がストーリーの要素としてあるのよね?
女王が白雪姫の心臓を所望するシーンがあるよね?
実は元々の話はデイズニーのオリジナルではなく、実の母である女王が美しい自分の子、白雪姫を食べて美貌を奪って喜ぶってシーンなのよね?
中世では食べた人の特徴を奪えると考えられてたってところからの民話なんだよね?
それとなくそういった社会だったと歴史や、一種の教訓的な意味合いで伝わってたりすんだよね?民話って。
世ニコラウスも子供への教え的な意味の伝承だったぽいよね。

子供達の”恐怖”のサンタクロース

ところで、聖ニコラウスが贈り物をもたらす存在というイメージが定着したのは1200年から1500年の間で、ヨーロッパでは世間一般で普通になるほど浸透していたみたい。
このころ、オランダでも子供たちに贈り物をする聖ニコラウスが定着しており、その聖ニコラウスをオランダ語に直し、「シンタクラース」と呼ばれていたとか。
その後オランダ人が17世紀にアメリカへ移り、シンタクラースをサンタクロースと伝えたのが語源だと言われているの。
実は聖ニコラウスがなくなった12月6日こそ、その贈り物の日となっていたの。これに各地域のローマ神話や、北欧神話などが加味されていったっぽいのよ。
そうやって徐々に白いひげを蓄えた、空を飛ぶ不思議な力を持つ存在に進化していったみたいね。
でもね、当時は子供達をしつける怖いおじさん的な意味合いも含まれていた。
というかむしろ最初は怖がられる存在だったみたいなのよね?
あの坂本龍馬も今でこそ、英雄扱いだけど、当時地元高知では「結構、怖い人」として知られてたっぽいよね?
このころのサンタクロースはまだ親しみのある陽気な白髭のサンタではなく、結構、怖がられる存在だったのよね?
なんだけど中世以降、宗教改革によって聖ニコラウスは崇拝される対象ではなくなってしまったの。
そこでちょっとフシギな事になってんのよね?

オランダではシンタクラースと呼ばれたサンタ

イエスの降臨とサンタクロースは実は無関係だった?

聖ニコラウスは崇拝の対象ではなくなり、宗教色は消えていったんだけど、それまで担ってたプレゼント配る人は乳飲み子イエスにその役割が変わっていった。
クリスマスも12月6日から12月25日に変更されたの。
昔からクリスマスっておかしいな?って思ってたのよね?
クリスマスは「イエス・キリストの誕生、正確には降臨」を祝う日なんだけど、イエス・キリスト誕生の逸話にサンタクロースってまるで出てこないのよね?
キリスト教系の幼稚園に行ってたから、この時期になると讃美歌歌ったり、誕生の話を聞いたりしてたんだけど、サンタクロースとつながりがない!って思ってたんだよね?
そこで宗教改革で「シンタクロース」が消えてプレゼントを子供に配る役割が乳飲み子のイエス・キリストの役割になったんだけどボスベイビーじゃあるまいし、赤ん坊にプレゼントは配れないということで強面の謎の相棒がキャスティングされて、聖ニコラウスのようなサンタクロースのような謎の相棒がプレゼントを配り、規律を守るよう子供達を脅かす役割を担うようになったみたい。
中世ドイツではもはや宗教色はなくなり、ルクラウス(荒っぽいクラウス)とか、アシェンクラス(灰色のニコラウス)とか子供達が怖がる存在となっていた。
今の赤い服きた陽気なおじいさんとは程遠いイメージよね。
19世紀初頭、アメリカではパイプを吸いながら、空飛ぶ馬車で飛び回るニコラウスがはじめて描かれ、善良な少年少女にはプレゼント、悪い子には鞭に使う小枝を配るというお話になっている。
1822年、クレメント・クラーク・ムーアが「聖ニコラウスの訪問」の著作の中で、8頭のトナカイがそりをひく現在のサンタクロースが登場したってわけ。
これが今、世界中に広まっている。
元々はこの本、彼の6人の子供達のために書いたものだったみたい。
アメリカで再形成された、陽気なおじいさんのサンタクロースのイメージがヨーロッパに逆輸入されたのよ。
それで当時怖いおじさんがプレゼントを持ってくるというサンタのイメージから陽気で子供が大好きな優しいお爺さんにとってかわったみたい。
クリスマスが近づくと子供達が目をキラキラさせてサンタクロースにお願いするものを何にするかうれしそうに話している。
そんな時代が私にもあったなぁと思うんだけど、実はそんな様子をみて思い出しながら、サンタクロースしている今のほうが実は一番楽しかったりしてるんだよね。

今日の朝、公園を散歩してたら、サンタさんにプレゼントをもらってテンション高めのランドセルを背負った小さな女の子はお尻フリフリ踊りながら登校してた。
子供たちの笑顔がたくさん見られるサンタクロースが実はいっぱいプレゼントをもらっているような気がしている。

子供達に夢を与え続けるサンタクロース
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