世界に君臨するような大富豪が世界平和に貢献するとは限らないのよ
「第二次世界大戦が始まったきっかけは何？」
「モルガン家が大富豪となった方法とは？」
そんな疑問を持つ方に向けた記事になります。(2020/10/05 更新)
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- なぜ大富豪モルガン家はナチスを誕生させてしまったのか？
- 豪胆な戦略でのし上がるモルガン家
- ウォール街の帝王と呼ばれたJ・P・モルガンの死
- 困窮する戦勝国から搾り取れないモルガン家の戦略
- 付録：謎の日本人女性、モルガンお雪とは？
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なぜ大富豪モルガン家はナチスを誕生させてしまったのか？
第二次世界大戦のソ連を含めたヨーロッパの死者数は4000万人以上でしょう。
彼さえ、何も言わなければ死んでなかったかもしれない。
それどころかナチスも誕生しなかったかもしれない。
彼の名はジョン・ピアポント・モルガンJr。
JPモルガンというのはアメリカ関連のニュースではよく耳にする誰もが知る社名。
JPモルガンとは商業銀行であるJPモルガン・チェース、投資銀行であるJPモルガンを子会社にする会社でアメリカ、いや世界に大きな影響を与えている。
この会社の創業者こそ「ウォール街の最高神」と言われたモルガン家、モルガンJrの父ジョン・ピアポン・モルガンなの。
彼は大のヨット好きで、いろんなサイズのヨットを所有してた。
「維持費を気にするような人間には、ヨットは買えない」
(ジョン・ピアポン・モルガン)
とまぁ、典型的なお金持ちといったところか。
ちなみにニューヨークで電灯付きの邸宅に最初に住んだのは彼だとか。
そんな気持ちいいくらい嫌味な大富豪モルガンがどうやってのし上がったのか？
豪胆な戦略でのし上がるモルガン家
17世紀にイギリスからアメリカに移住してきたモルガン家は農業で成功をおさめ、大地主になったんだって。
なのでジョン・モルガンが一代で大金持ちになったというわけではなく、代々お金持ちだったの。
1854年、ジョンの父にあたるジューニアス・スペンサー・モルガンは、莫大な資本で銀行の共同経営者になり、家族とともに再びイギリス・ロンドンへ移住。
彼はイギリスで株の売買や、鉄道レールなど商品の仲介取引を行っていた。
またアメリカ南北戦争で北軍の債権を扱って巨額の利益をあげた。
ジョン・モルガンも戦争で大儲けしていたが、そのへんは父譲りってことかもね？共同経営者が引退したことにより、ジューニアス・モルガンは銀行名を「J・P・モルガン」と改め、今日のモルガン財閥の歴史が始まったというわけ。一方、ロンドンで育ったジョン・モルガンはアメリカ・ニューヨークへ渡り、ウォール街の投資会社で働き、父と同じ金融業界で修業を始める。
ジョンは慎重派の父とは違い、せっかちで向こう見ずで大胆な性格だったが、父譲りの判断力と、お金のにおいをかぎ分ける才能は抜群だったようで、会社の許可なく、コーヒー豆の取引で巨額利益をあげたこともあったという。
その後独立してフィラデルフィアの銀行家ドレクセルと共同経営の「ドレクセル・モルガン商会」を設立するとウォール街でも名を知られるようになる。
この会社は1878年、トーマス・エジソンと契約する。
その後ゼネラル・エレクトリックを誕生させるなど、電灯を普及させていく。
だからジョン・モルガン邸が最初の電灯付きの邸宅だったわけなのよ。
1912年タイタニック号の造船会社もかれらモルガン家の所有。
リッチマンしか楽しめないヨットファンだからね。
船は沈んでも、巨額の保険金をかけていたため、不沈のモルガン家だった。
このように、ロンドンの父が率いるJ・P・モルガンからの莫大な資金を背景に新興企業の融資を積極的に行った。
1890年、父ジューニアス・モルガンは病気ひとつしたことがなかったのに、乗っていた馬車が暴走して壁に激突するという事故がもとでなくなってしまう。
そうしてジョン・モルガンは父の遺産を引き継ぎ、父を超える世界有数の銀行家となったのである。
ここからジョン・ピアポント・モルガンの豪胆な戦略で不動の大富豪にのし上がっていくの。
ウォール街の帝王と呼ばれたJ・P・モルガンの死
ジョン・ピアポント・モルガンは豊富な資金でまず海運業・鉄道業の様々な企業に資金を提供し、それらをまとめ上げて世界屈指の大企業を誕生させ、そしてその株を高値で売却。
それを資金に他の有力企業の株を買い占めていった。
その結果、アメリカの金融界と産業界では有力企業のほとんどがモルガン財閥の支配下に入った。
そうしていつのまにか、モルガン家は最高神と言われるようになり、ジョン・モルガンは「大統領でさえ、恐れる男」と言われた。
しかし1913年3月31日、旅行先のローマで就寝中に死去。
享年75歳。
50歳代から生命保険に入れないほど、不衛生、不健康だったらしく、暴飲暴食がその原因だったといわれているが、精神的な疲労がピークだったともいわれている。
彼の資産は6830万ドルで現在の価値では13億9000万ドル。
彼の収集した美術品の価値は5000万ドルの価値があるといわれた。
鉄鋼王カーネギーに言わせると「大して金持ちではなかった」らしい。
困窮する戦勝国から搾り取れないモルガン家の戦略
後継は彼の息子、ジョン・ピアポント・モルガン Jrだった。
モルガン Jrがなぜナチスドイツ誕生のきっかけとなったのか？
それは第一次世界大戦後の混乱が原因だったみたいなのよ。
1918年ドイツの降伏で戦争は終結。
アメリカ大統領ロッドウィルソンは十四箇条の平和原則を休戦協定にしようとしたんだけど、そのなかに賠償金はなしとなってたの。
なぜかというと賠償金は略奪と同じで野蛮な行為としたのよ。
イギリスもフランスもハッキリ言って「略奪」に期待してたのよ。
なので大反対だったんだけど、それを承知せざるを得ないほど既にヤバい状況で、これ以上戦争を長期化するわけにはいかない懐事情だったのよね？
だけど1920年、ドイツに対し1320億金マルクの賠償金が決定する。
これにはJ・P・モルガンが影でロッドウィルソン大統領の決定を覆したらしいのよ。
というのはJ・P・モルガンは第一次大戦でイギリス・フランスに莫大な戦費を貸し付けてた。
なので賠償金がなくなるとイギリスもフランスも借金を返せないことになる。
それを回収するために、当初、敗戦国ドイツには賠償金はなしにするという話だったんだけど、アメリカ大統領に圧力をかけ、天文学的な賠償金を支払わせる決定をしたの。
それがもとでナチスが生まれ、第二次世界大戦が勃発し、再び世界は戦火に覆われ、何千万人という人々が戦死することとなった。
すべてはたったひとりの金持ちのためにね。
現在、J・P・モルガンはチェース・マンハッタン社と合併して「J・P・モルガン・チェース＆カンパニー」となり、世界60か国に拠点を置く大企業となった。その総資産は2兆ドルとなり、日本の国家予算の2倍に相当するという。
一握りの人間が世界を動かすってのは実際ホントかもしれないね。
これで記事を締めようと思ってたんだけど、調査中に仰天事実にブチあたってしまってどうしても書きたくて、これまでの内容とは関係ないんだけど付録ってことで・・・
付録：謎の日本人女性、モルガンお雪とは？
全く知らなかったんだけど、モルガンお雪って安っぽい女芸人のような名前の謎の人物がいたんだけど、なんとジョン・ピアポント・モルガンの甥にあたるジョージ・デニソン・モルガンと結婚した日本人女性がいたのよ。
歴史に名を残す、おそらく史上最高の玉の輿かもしれない。
モルガンお雪は元々大金持ちのお嬢様でもなんでもなく、京都寺町の刀商の平助の娘で芸妓さんだった。
明治時代当時、外人用芸妓というのは芸妓世界では格下扱いだった。
1901年、恋人にフラれて失恋中の大富豪、ジョージ・デニソン・モルガンはふらりと日本に立ち寄った。
まぁ、立ちションレベルの感覚だったと思う。
京都で芸妓をしていたモルガンお雪はジョージ・デニソン・モルガンに京都で偶然出会い、なんとジョージ・デニソン・モルガンが一目惚れで即求婚。
だけどお雪は外人に嫁ぐ気はせず承知しなかったという。
それから4年で3度も来日し、諦めないジョージ・デニソン・モルガンに、置屋の主人は「だったら身請け金4万円で」ともちろん断られる前提でふっかけた。
ところが大富豪のジョージ・デニソン・モルガンは承知し、大ニュースとなったのよ。
だって当時4万円は今の価値では8億円に相当したからね？
しかも彼女、妾ではなく正妻として結婚したのよね？
まぁ時代が悪く波乱万丈な人生だったみたいだけど、明治時代のシンデレラストーリーがあったのよね。
