大丈夫です。あなたがドス黒い血溜まりの中の肉片に変わることはありません。
米軍の自信と誇りは、血しぶきと銃弾が舞う地獄の中で、死神に取り憑かれた兵士の肉片と共に崩れ去った。
ボロボロの布切れのような服から覗く、黒い肌からは愛国心と殺気が表裏する汗がにじみでて、ドス黒い妖気を撒き散らし、ライフルを握りしめる手には異常なまでに血管が姿を晒していた・・・
1969年の民族主義にわく独立戦争以来、ソマリアは政治的混乱が貧困と難民を招き、ソマリア人は餓鬼と変貌していた。
親は子供におもちゃの代わりにライフルを持たせ、恐怖すら知らない子供兵は殺害を楽しむ毎日だった。
そんな地獄のソマリア内戦の最中、渦中のモハメド大統領は国際連合にPKO部隊の派遣を要請。
1992年12月、難民への食糧支援を目的に内戦を終結させるため、アメリカ軍を中心とする平和強制軍が派遣された。
ライフルを握りしめる餓鬼の眼には周囲の空気を変えてしまうほどの殺気がみなぎり・・・
その毛細血管には狂気がドクンドクンと脈打つのだった・・・
アメリカ軍は、レンジャー、特殊部隊デルタフォースからなる精鋭により、敵対組織の幹部2名を拉致する、作戦コード:アイリーンを決行。
当初たった30分ほどの作戦だったという。
ところが未曾有の市街戦へと突入し、15時間以上浪費した上、ブラックホーク2機が撃墜され、主導権を失った米兵は精鋭21名を犠牲に、ソマリア民兵1000名以上が命を落としたという。
銃撃音と火花だけに囲まれた地獄で、次の瞬間には汗が赤黒い流血に変わる戦場で、ふざけ合っていた仲間の顔から血の気が引き、青白い肌には温もりがすでに無く、白眼むく醜怪な”死に華”に恐怖する
敵意と殺気を剥き出しにした敵へライフルを構える米軍兵士たちは地獄の中を彷徨う。
「なぜ我々は戦い続けるのか」
という大きな苦悶にのたうちまわるのだった・・・
果たして兵士たちの出した答えとは・・・
リドリースコット監督が実話を映画化した『ブラックホーク・ダウン』。
極端にセリフが少ない映画なんだけど、このドキュメンタリータッチの市街戦映像と、全編にわたって血の匂いが”つうん”と鼻から脳天へ抜けるような血みどろの惨劇がリアルに描かれている。
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